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保団連の医療に対する基本姿勢
この宣言は、全国保険医団体連合会の医師、歯科医師が、これからの医療をより良くする決意をあらわすものとして、4年間の討議を経て1989年1月の第27回定期総会で採択し、1998年1月の第36回定期大会で「5.診療の記録」を一部改定のうえ採決しました。
安心して医療を受けられるようにするためにはどうすればよいか。専門家は何をすべきか。患者・住民の皆さんは何をすべきなのか。
この宣言のまわりに、こうした対話の広がることを心から念願しています。
前文
我が国の開業医は第一線医療の担い手として、長年にわたり地域住民の医療に貢献してきた。
いま日本人の平均寿命は大きく延びてきたが、一方、国民生活をとりまく経済、労働、環境などの急激な変化とその歪みは、成人病の増加はもとよりかつては見られなかった心身の疾患をも生み出し、子供から老人に至るまですべての世代を通じて、健康に対する関心と不安が増大している。
こうした中で開業医師、歯科医師のあり方も問い直され、日常の診療に責任を持つことはもとより、疾病の予防から環境の改善などに至るまでその専門的知識、技術による幅広い対応がつよく求められている。
同時に近代民主主義の主権在民、人権尊重の思想は、医療における人間関係、医学の進歩と医療の倫理など新しい課題をも提起している。
これらの期待と要望に応えるためには、患者・住民の求めるところを深く理解し、常に新しい医学・医術を研鑽して、自らの医療活動を省み創造する開業医の姿勢と努力が不可欠である。
また、わが国は「経済大国」といわれながら、その力が国民には還元されず、逆に国民の努力により築き上げてきた社会保障が、軍事予算拡大やいわゆる「民活路線」の陰で次々に後退させられている。さらに現在、地球的規模での環境破壊や核兵器の脅威など、人類の生存すら危ぶまれる状況も存在している。
私たちはこれらの現在に立ち向かいつつ、21世紀の医療を担う開業医像をめざして、次の通り宣言する。